私が所属する溶接課では、設計部がつくった図面をもとに、圧力容器や熱交換器、配管部品など圧縮機を構成する部品の溶接を行なっています。私の役割は工程管理で、圧縮機の全製造工程の中で、溶接課の工程がうまく進むように、様々な手配や納期調整、法規の申請など進捗管理をしています。図面を読み解き、溶接に必要な材料や部品の手配、ときには外注先の会社が進めやすいように、組み立て図から加工図におこし直すこともあります。
加地テックのものづくりはオーダーメイドであるため、溶接課が関わる部品のバリエーションが圧倒的に多いことが特徴です。また、同じ図面を見て製造を行うことがほとんどありません。馴れたと思ったところに、全く違う製品や部品がくることもあり、そこが難しくもおもしろいところです。

加地テックへ。
前職では、主に溶接加工を行っているベンチャーに勤めていました。なにも知らないところからものづくりの世界に入ったのですが、たくさんの協業先の方々と接する中で、“溶接”という一工程だけを担っていては見えてこないところがあることに気づきました。設計した人の意図、お客さまが製品に求めていることといった図面の背後にあることを知りたいと思いました。
加地テックは、設計、加工、溶接、組立といったほとんどの工程が社内にあり、社内で一つのものづくりが完成しています。量産品でなくオーダーメイドでこれが実現できている会社があることを知らなかったのでここで働きたいと強く思いました。また、職人さんと近い距離で仕事をしたいという想いもあり、とくに溶接の奥深さに魅了されていた私にとっては、溶接課を社内に置いている点も転職をする決め手の一つになりました。

ものづくりの一部。
私らしい方法を模索中です。
ものづくりの仕事は製品や図面だけでなく、“人”と向き合う仕事でもあります。図面をもとに機械を使用してつくりますが、実際に手を動かしつくるのは現場の“人”です。そこが溶接課だけでなく、ものづくりの難しくもおもしろいところだと感じています。どうしたらこちらの意図を正確に伝えられるのか、どのように質問すれば職人さんが考えていることを引き出せるのか。ときには面倒と思われるかもしれませんが、妥協せずにとことん追求するなど、良いものをつくるためのコミュニケーションを心がけています。
前職は少人数でしたが、加地テックは200人近い社員がそばにいて、深く様々な人と関わることができています。知識だけでなく内面的にも影響も受けながら、私らしいコミュニケーションの仕方を日々模索しています。
